野球コラム

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◆フェアプレー精神 (2001.10.2 #1松田)
 プロ野球パシフィック・リーグは近鉄の優勝が決まり、残すところはタイトル争いのみとなった。
今年は近鉄のローズが王貞治(現ダイエー監督)の持つ年間本塁打記録55本に並んでいる。残り数試合で1本打てば新記録達成だ。しかし、先日の近鉄−ダイエー戦で、ローズは四球責めにあい全打席中ストライクゾーンに来た球はわずか2球だったという。記録保持者の王が監督を務めるダイエーの選手が記録を抜かれまいとして打たせなかったのではないか、という議論が巻き起こっている。

 ローズに限らず、毎年のようにこんな醜い駆け引きがある。何年か前、中日の山崎と巨人の松井が本塁打王争いをしていた。終盤松井は1本差まで追い上げたが最終戦の相手は中日。長島監督の計らいで中日戦で1番バッターとして登場した松井だったが、中日投手陣の四球責めで結局本塁打王を逃した。
 西武の松井とロッテの小坂が盗塁王争いをしていた年、終盤の直接対決で出塁した小坂に対して故意に牽制球を暴投したり、ボークをしたりして盗塁をさせないようにした。
 首位打者争いをしている打者が、打率を落としたくないために終盤出場しないなどということもあった。

 どれもこれも、ペナントレースの行方が決まったとはいえ、お金を払って試合を見に来るファンをバカにした行為である。選手はプロである以上、どんな場合でも勝負にこだわって一生懸命なプレーをファンに見せる必要がある。

 マスコミもこういう行為があると大きく報道して非難するが、ひとつだけ納得できないことがある。それは前述の中日−巨人戦の話だ。
 なぜ松井に対する四球責めが責められたのかと言えば、「記録を阻止するためだけに、勝負に関係ない敬遠をしたから」である。勝負所でなにがなんでも点を取られたくない場合には敬遠も許されている。なら、なぜ「記録を作るためだけに勝負と関係なく普段4番を打つ打者を1番に起用する」のは許されるのか?
 もし私が中日の監督だったら、そんなふざけた打順を組んできた相手に対して正々堂々と勝負する気にはなれないだろう。

 順位が決まった消化試合であっても、その試合を勝ちに行く、全力でプレーするという姿勢はもっていてもらいたい。
 今年の残り試合。ローズと対戦する投手にはフェアな勝負を、近鉄の梨田監督にはローズ・中村の最強の3・4番コンビを、ファンに見せてもらいたいものである。

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